90%はクズの思考法
Think clearlyに見るミニマル生活のヒント
スイスの作家であり実業家のロルフ・ドベリの著書「Think clearly 最新の学術研究から導いた、よりよい人生のを送るための思考法」に、ミニマル生活のヒントがありました。
そこで、印象に残ったものをピックアップしてみます。
必要なテクノロジー以外は持たない
車の平均速度はどれくらい?という問いから始まります。
一般的には、走行距離÷走行時間となりますね。
ところが、正確には、車の購入費を稼ぐための労働時間、保険料、維持費、ガソリン代なども考慮して、車の平均速度を算出すると・・・
なんと、わずか6km/h程度となり、歩く速度と変わらなかったといいます。
別の例でいえば、メールは一見便利に思えますね。
でも、迷惑メールに対処しなければならないし、送られてくる無数もの情報に対処しなければなりません。
それらを考慮して計算すると、メール一通当たりのコストは手紙の郵送料とほぼ同じという。
テクノロジーの発達で、時間とお金を節約しているように見えても、それにかかったコストを計算すると、打ち消されるといいます。
そこで、それは本当に便利なのかを厳密に考えることが重要で、よい人生の基本ルールは、本当は必要ないものを排除することと述べています。
買い物は控えめにしよう
車を所有する場合、予想どおり高級車であるほど、喜びが大きいという結果が出ました。
次に、車を運転中にどれくらいの喜びを感じていたか?を調査すると、
車の価格と喜びの度合いにはまったく相関関係がなかったそうです。
モノを買ったばかりの時は、そのモノについて、大きな喜びを感じるが、
日常生活で使っているうちに、喜びはだんだん小さくなっていきます。
ヨットを所有していた著者の友人が、「ヨットを所有して最もうれしかったのは、買った日と手放した日だった」と言ったというエピソードも。
そういえば、こんな話を聞いたことがあります。
事業に成功してお金持ちになった人が、念願の高級タワーマンションを手に入れ、最初は部屋から最高の夜景を眺めて、テンションが上がっていました。
ところが、毎日見ていると夜景にも飽き、仕事から戻った時に、マンションの入り口から何分もかけて自分の部屋に戻るのがバカらしくなって、結局、普通の安いマンションに引っ越したそうです。
このように、モノの喜びはどんどん小さくなってしまうので、よい人生を手にしたければ、モノを買うのは控えめにした方がいいと述べています。
そして、すばらしい経験をすることの喜びは、心の中にとどまり続けるので、モノより経験に投資することを勧めています。
本当に価値のあるものを見きわめよう
アメリカのSF作家スタージョンが、あらゆる出版物の90%はクズだと言ったことから、
「スタージョンの法則」というものがあるそうです。
90%がクズだというのは、あらゆるものにも当てはまり、小説、映画、テレビ、メール、会議、人からの招待・・・
思い当たることがあり、ホントにそうかも。
世界はくだらないものに満ち溢れているので、本当に価値のあるものはわずかであると。
たしかに、少数の価値があるものだけを選び、それ以外にはかかわらなくてもいいと思えば、けっこう楽になれそうですね。
このように、トータルで52もの思考法が紹介されており、目次を見て、気になるところから読むのもいいと思います。
ちなみにThinkシリーズは、「Think Smart」「Think right」もあり、人生を生きるヒントが満載ですよ。